プログラフ(タクロリムス)1mg 50カプセル

10400 円!! 自己免疫疾患治療や臓器移植による拒絶反応の抑制に効果を発揮する免疫抑制剤。

Prograf (Tacrolimus) - 1mg (50 Capsules)

■ 50カプセル

10400 円


ご注文数量 単価
2 以上 9600 円
   

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有効成分

タクロリムス(Tacrolimus )

 

製造国

アイルランド(トルコ市場向け)

 

製造元

アステラス製薬 (Astellas Pharma Ltd.)

使用量

下記の使用量はあくまでも目安となります。 
実際の使用においては医師の指示に基づき、適切な量を使用するようにしてください。

●腎移植の場合
通常、移植2日前から体重1kgにつき1回0.15mgを1日2回経口服用します。
術後初期には1回0.15mg/kgを1日2回経口服用し、以降は徐々に減量します。
維持量は1回0.06mg/kg、1日2回経口服用を基準としますが、症状に応じて適宜増減します。

●肝移植の場合
通常、初期には体重1kgにつき1回0.15kgを1日2回経口服用します。
以降は徐々に減量し、維持量は1日量0.10mg/kgを標準としますが、症状に応じて適宜増減します。

●心移植の場合
通常、初期には体重1kgにつき1回0.03-0.15mgを1日2回経口服用します。
また拒絶反応発現後にプログラフ0.15mgの使用を開始する場合には、通常、1回0.075-0.15mg/kgを1日2回経口服用します。
以後は症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には徐々に減量して有効最少量で維持します。

●肺移植の場合
通常、初期には体重1kgにつき1回0.05-0.15mgを1日2回経口服用します。
以後は症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減量して有効最少量で維持します。

●膵(すい)移植の場合
通常、初期には体重1kgにつき1回0.15mgを1日2回経口服用します。
以後は徐々に減量して有効最少量で維持します。

●小腸移植の場合
通常、初期には体重1kgにつき1回0.15mgを1日2回経口服用します。
以後は徐々に減量して有効最少量で維持します。

●骨髄移植の場合
通常、移植1日前から体重1kgにつき1回0.06mgを1日2回経口服用します。
移植初期には1回0.06mg/kgを1日2回経口服用し、以後は徐々に減量します。
また移植片対宿主病発現後にプログラフ1mgの服用を開始する場合には、通常、1回0.15mg/kgを1日2回経口服用しますが、症状に応じて適宜増減します。

プログラフ1mgの経口服用時の吸収は一定しておらず、人により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応および移植片対宿主病の発現を防ぐため、状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベルの血中濃度を参考にして使用量を調節してください。特に移植直後あるいは使用開始直後は頻回に血中濃度測定を行なうことが望ましいとされています。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意してください。

●重症筋無力症の場合
通常、成人は3mgを1日1回夕食後に経口服用します。

●関節リウマチの場合
通常、成人は3mgを1日1回夕食後に経口服用します。
高齢者には1.5mg1日1回夕食後経口服用から開始し、症状により1日1回3mgまで増量できます。

●ループス腎炎の場合
通常、成人は3mgを1日1回夕食後に経口服用します。

●潰瘍性大腸炎の場合
通常、成人は初期には体重1kgにつき1回0.025mgを1日2回朝食後および夕食後に経口服用します。以後2週間、目標血中トラフ濃度を10-15ng/mLとし、血中トラフ濃度をモニタリングしながら使用量を調節します。使用開始後2週以降は、目標血中トラフ濃度を5-10ng/mLとし使用量を調節します。


商品詳細

プログラフ1mgは免疫抑制剤の一種で、主に腎臓、肝臓、心臓、膵臓、小腸などの臓器移植または骨髄移植を行なった人の拒絶反応を抑制する目的で使用される薬です。そのほかにも、重症筋無力症、既存治療で効果が充分に現れない場合の関節リウマチ、ステロイド剤の使用で効果が不充分または副作用により困難な場合のループス腎炎、さらにステロイド抵抗性・ステロイド依存性の難治性の活動期潰瘍大腸炎(中等度-重症)の治療に使用されることもあります。

人間の体は約60兆個の細胞から構成されていると言われていますが、細胞のひとつひとつはMHC(主要組織適合遺伝子複合体)クラスI分子により、その人固有の細胞であると認識されます。一卵性双生児を除いて、まったく同じMCHクラスI分子を持つ人はほとんどいませんが、兄弟姉妹の場合は約25%の確率で一致すると言われています。 
臓器移植では、臓器を提供する人と受け取る側ではこのMCHクラスI分子が異なる場合がほとんどであるため、受け取り側の体はこの移植された臓器を異物として認識し、排除しようとします。 これが拒絶反応です。

体内に侵入してきた細菌やウイルスなど「自分以外」の外敵から身を守る生体防御機能のことを「免疫」といいますが、この働きに関わる免疫細胞がリンパ球をはじめとした白血球です。 リンパ球のような免疫細胞は、体内に侵入してきた異物の選別、その情報の伝達、攻撃、排除などに加え、その異物に対して抗体を産出するなどの役割を持っており、このシステムが正常に機能することによって体が健康に保たれます。 しかしながらこの免疫機能が原因となり、身体にとって不利な症状が起こることもあります。 その代表的な疾病が喘息やアレルギーですが、ほかにも自己免疫疾患や臓器移植による拒絶反応も免疫機能が働くことによって起こります。

免疫機能に大きく関わっているのがリンパ球の一種であるT細胞です。骨髄で生成された後に胸腺内で分化・成熟し、抗体を作り出すB細胞やマクロファージに免疫反応を進めるように信号を出すヘルパーT細胞と、このヘルパーT細胞から指令を受け、異物を認識してその細胞を殺す作用を持つキラーT細胞などに分かれます。
拒絶反応が起こる場合、まずIL-2(インターロイキン2)という物質が放出され、これによりキラーT細胞が活性化して移植臓器を破壊しようとします。プログラフ1mgの有効成分であるタクロリムスは、IL-2などのサイトカインの産生を選択的に阻害してキラーT細胞を活性化させないため、その結果として強力な免疫抑制作用を発揮します。

一方、重症筋無力症や関節リウマチ、ループス腎炎などは、本来であれば起こるはずのない自分の細胞や組織に対して免疫反応が起こる自己免疫疾患が原因と考えられています。自己免疫疾患は全身にわたって臓器が障害される全身性自己免疫疾患と、特定の臓器だけが影響を受ける臓器特異的疾患の2種類がありますが、いずれも詳しい原因はいまだに解明されておらず、ストレスによる免疫力の低下、攻撃の対象となる組織細胞の異質化、ホルモンなどが関わっているのではないかと推測されています。

プログラフ1mgは移植領域の治療だけでなく、自己免疫疾患に対してもその有用性が確認されています。


副作用

プログラフ1mgを服用した場合、以下の副作用が起こることがあります。

●主な副作用
腎障害(BUN上昇、クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下、尿たんぱく)、尿量減少、血尿、多尿、頻尿、残尿感、高カリウム血症、高尿酸血症、低マグネシウム血症、CK(CPK)上昇、アシドーシス、高コレステロール血症、高リン酸血症、低リン酸血症、高クロール血症、高カルシウム血症、低カルシウム血症、低たんぱく血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、高トリグリセリド血症、尿糖、血圧上昇、むくみ、頻脈、動悸、心電図異常、血圧低下、徐脈、ふるえ、運動失調、幻覚、しびれ、不眠、失見当識、せん妄、不安、頭痛、感覚異常、めまい、眼振、外転神経まひ、四肢硬直、傾眠、意識混濁、うつ病、興奮、胸やけ、消化管出血、腸管運動障害、食欲不振、下痢、腹痛、胃潰瘍、大腸炎、口内炎、悪心、嘔吐、腹部膨満感、下血、アミラーゼ上昇、肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇)、好中球減少、貧血、血小板増多、血小板減少、白血球増多、白血球減少、リンパ球減少、発疹、紅斑、そう痒、脱毛、疼痛、発赤、眼痛、多汗、口渇、冷感、胸水、腹水、ぜんそく、発熱、全身倦怠感、体重減少、ほてり、月経過多、咽喉頭違和感、筋肉痛、関節痛、味覚異常

●極稀に起こる重篤な副作用
急性腎不全、ネフローゼ症候群、心不全、不整脈、心筋梗塞、狭心症、心膜液貯留、心筋障害、可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症などの中枢神経系障害、脳血管障害、血栓性微小血管障害、汎血球減少症、血小板減少性紫斑病、無顆粒球症、溶血性貧血、赤芽球癆、イレウス、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、呼吸困難、間質性肺炎、感染症、進行性多巣性白質脳症(PML)、BKウイルス腎症、リンパ腫などの悪性腫瘍、すい炎、糖尿病、高血糖、肝機能障害、黄だん


特別な注意

以下の場合、プログラフ1mgを絶対に服用しないでください。
・プログラフ1mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・シクロスポリンまたはボセンタン使用中の人
・カリウム保持性利尿剤使用中の人
・妊婦または妊娠している可能性のある人

【警告】
・プログラフ1mgの使用において、重篤な副作用(腎不全、心不全、感染症、全身けいれん、意識障害、脳梗塞、血栓性微小血管障害、汎血球減少症など)により、致死的な経過をたどることがあるため、緊急時に充分に措置できる医療施設およびプログラフ1mgついての充分な知識と経験を有する医師が使用してください。
・臓器移植におけるプログラフ1mgの使用は、免疫抑制療法および移植者の管理に精通している医師またはその指導のもとで行なってください。
・関節リウマチに使用する場合には、関節リウマチ治療に精通している医師のみが使用するとともに、使用に対してプログラフ1mgの危険性やプログラフ1mgの使用が長期にわたることなどをあらかじめ充分理解した上で使用してください。また、何らかの異常が認められた場合には、使用を中止するとともに、ただちに医師に連絡し、指示を仰ぐようにしてください。
・ループス腎炎におけるプログラフ1mgの使用は、ループス腎炎の治療に充分精通している医師のもとで行なってください。
・顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていないので、切り替えおよび併用に際しては、血中濃度を測定することより製剤による吸収の変動がないことを確認してください。

【慎重服用】
・肝障害のある人: 薬物代謝能が低下し、タクロリムスの血中濃度が上昇する可能性があります。
・腎障害のある人: 腎障害が悪化する可能性があります。
・高齢者
・感染症のある人: 感染症が悪化する可能性があります。
・関節リウマチに間質性肺炎を合併している人: 間質性肺炎が悪化する可能性があります。

【重要な基本的注意】
・腎障害の発現頻度が高いので、頻回に臨床検査(クレアチニン、BUN、クレアチニンクリアランス、尿中NAG、尿中β2ミクログロブリンなど)を行なうなど状態を充分に観察してください。特に服用初期はその発現に充分注意してください。なお、関節リウマチの人では、少数例ながら非ステロイド性抗炎症剤を2剤以上併用した症例でクレアチニン上昇発現率が高かったので注意してください。
・高カリウム血症が発現することがあるので、頻回に血清カリウムの測定を行なってください。なお、カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、トリアムテレン)の併用あるいはカリウムの過剰摂取を行なわないでください。
・高血糖、尿糖などの膵(すい)機能障害の発現頻度が高いので、頻回に臨床検査(血液検査、空腹時血糖、アミラーゼ、尿糖など)を行なうなど状態を充分に観察してください。特に服用初期にはその発現に充分注意してください。
・タクロリムス服用中に心不全、不整脈、心筋梗塞、狭心症、心筋障害(心機能低下、壁肥厚を含む)などが認められているので、使用に際しては心電図、心エコー、胸部X線検査を行なうなど状態をよく観察してください。なお、ループス腎炎の人では、その基礎疾患である全身性エリテマトーデスにおいて冠動脈疾患の危険因子とされている高脂血症、高血圧症などの疾患を合併する場合が多いことから、それらの疾患の適切な治療を進めながらプログラフ1mgを使用してください。
・高血圧が発現することがあるので、定期的に血圧測定を行ない、血圧上昇が現れた場合には、降圧剤治療を行なうなど適切な処置を行なってください。
・感染症の発現または増悪に充分注意してください。
‘過度の免疫抑制により感染に対する感受性の上昇、リンパ腫などの悪性腫瘍発生の可能性があるので、充分注意してください。
・免疫抑制剤を使用しているB型肝炎ウイルスキャリアの人において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎が現れることがあります。また、HBs抗原陰性の人において、免疫抑制剤の使用開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されています。またC型肝炎ウイルスキャリアの人において、免疫抑制剤の使用直後にC型肝炎の悪化がみられることがあります。肝炎ウイルスキャリアの人がプログラフ1mgを使用する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行なうなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の兆候や症状の発現に注意してください。
・重症筋無力症では、胸線非摘除例に使用する場合、プログラフ1mgの使用開始前および使用開始後において、定期的に胸腺腫を確認してください。胸腺腫が確認された場合には、胸腺摘徐などの胸腺腫の治療を適切に実施するとともに、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上でプログラフ1mgを使用してください。
・プログラフ1mgの使用により副腎皮質ホルモン剤維持量の減量が可能ですが、副腎皮質ホルモン剤の副作用の発現についても引き続き観察を充分行なってください。
・移植片対宿主病が発症した場合は、速やかに治療を開始することが望ましく、またシクロスポリンが既に使用されている症例では継続治療が可能かどうかを早期に見極め、困難と判断されれば速やかにシクロスポリンを中止し、プログラフ1mgに切り替えてください。
・潰瘍性大腸炎におけるプログラフ1mgの使用は、潰瘍性大腸炎の治療法に充分精通している医師のもとで行なってください。

【効能・効果に関連する使用上の注意】
・骨髄移植時の使用に際し、HLA適合同胞間移植ではプログラフ1mgを第一選択薬とはしないでください。
・重症筋無力症では、タクロリムスを単独で使用した場合およびステロイド剤未治療例に使用した場合の有効性および安全性は確立していません: タクロリムスの単独使用の経験は少なく、ステロイド剤未治療例における使用経験はありません。
・関節リウマチでは、過去の治療において非ステロイド性抗炎症剤およびほかの抗リウマチ薬などによる適切な治療を行なっても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に使用してください。
・ループス腎炎では、急性期で疾患活動性の高い時期に使用した際のプログラフ1mgの有効性および安全性は確立されていません。
・潰瘍性大腸炎では治療指針などを参考に、難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)であることを確認してください。
・潰瘍性大腸炎では、プログラフ1mgによる維持療法の有効性および安全性は確立していません。

【用法・用量に関連する使用上の注意】
・血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、プログラフ1mgの使用量を調節する際には全血中濃度を測定してください。
・カプセルを使用するにあたっては、以下の点に留意してください。
1)顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていません。
2)カプセルと顆粒の切り換えおよび併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認してください。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて使用量を調節してください。
・高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持してください。なお骨髄移植ではクレアチニン値が使用前の25%以上上昇した場合には、プログラフ1mgの25%以上の減量または休薬などの適切な処置を考慮してください。
・ほかの免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意してください。特に、臓器移植において3剤あるいは4剤の免疫抑制剤を組み合わせた多剤免疫抑制療法を行なう場合には、プログラフ1mgの初期使用量を低く設定することが可能な場合もありますが、移植者の状態および併用されるほかの免疫抑制剤の種類・使用量などを考慮して調節してください。
・肝移植、腎移植および骨髄移植では、市販後の調査において、承認された用量に比べ低用量を使用した成績が得られているので、使用量設定の際に考慮してください。
・骨髄移植では血中濃度が低い場合に移植片対宿主病が認められているので、移植片対宿主病好発時期には血中濃度をできるだけ10-20ng/mLとしてください。
・重症筋無力症では、副作用の発現を防ぐため、使用開始3ヵ月間は1ヵ月に1回、以後は定期的におよそ使用12時間後の血中濃度を測定し、使用量を調節することが望ましいとされています。また、プログラフ1mgにより充分な効果が得られた場合には、その効果で維持できる用量まで減量することが望ましいとされています。
・関節リウマチでは、高齢者には使用開始4週後まで1日1.5mg使用として安全性を確認した上で、効果不充分例には1日3mgに増量することが望ましいとされています。また増量する場合には副作用の発現を防ぐため、およそ服用12時間後の血中濃度を測定し、使用量を調節することが望ましいとされています。
・ループス腎炎では、副作用の発現を防ぐため使用開始3ヵ月間は1ヵ月に1回、以後は定期的におよそ使用12時間後の血中濃度を測定し、使用量を調節することが望ましいとされています。またプログラフ1mgを2ヵ月以上継続服用しても、尿たんぱくなどの腎炎臨床所見および免疫学的所見で効果が現れない場合には、使用を中止するかほかの治療法に変更することが望ましいとされています。一方、プログラフ1mgにより充分な効果が得られた場合には、その効果が維持できる用量まで減量することが望ましいとされています。
・肝障害あるいは腎障害のある人では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、使用量を調節することが望ましいとされています。
・潰瘍性大腸炎では、治療初期は頻回に血中トラフ濃度を測定し使用量を調節するため、入院またはそれに準じた管理の下で服用することが望ましいとされています。
・潰瘍性大腸炎では、1日あたりの使用量の上限を0.3mg/kgとし、特に以下の点に注意して用量を調節してください。
1)初回使用から2週間まで
・初回使用後12時間および24時間の血中トラフ濃度に基づき、1回目の用量調節を実施します。
・1回目の用量調節後少なくとも2日以上経過後に測定された2点の血中トラフ濃度に基づき、2回目の用量調節を実施します。
・2回目の用量調節から1.5日以上経過後に測定された1点の血中トラフ濃度の基づき、2週時(3回目)の用量調節を実施します。
2)2週以降
・使用開始後2週時(3回目)の用量調節から1週間程度後に血中トラフ濃度を測定し、用量調節を実施します。また使用開始4週以降は4週間に1回を目安とし、定期的に血中トラフ濃度を測定することが望ましいとされています。
3)用量調節にあたっては、服用時の食事条件(食後服用/空腹時服用)が同じ血中トラフ濃度を用いてください。
・潰瘍性大腸炎への使用にあたってはカプセル剤のみを用い、0.5mg刻みの使用量を決定してください。
・潰瘍性大腸炎では、2週間使用しても臨床症状の改善が認められない場合は使用を中止してください。
・潰瘍性大腸炎では、通常3ヵ月までの使用としてください。

【その他の注意】
・免疫抑制剤による治療を受けた人では、悪性腫瘍(特にリンパ腫、皮膚がんなど)の発生率が高いとする報告があります。
・関節リウマチにおけるタクロリムスとメトトレキサート、ほかの抗リウマチ薬あるいは抗TNFα製剤を併用した際の有効性および安全性は確立していません。
・ループス腎炎では、28週使用によりクレアチニンクリアランスの低下がみられています。28週を超える臨床試験成績は少なく、長期使用時の安全性は確立されていません。
・関節リウマチでは、人口関節置換術などの手術時におけるタクロリムスの安全性は確立していません。

高齢者では一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能など)が低下しているので、状態を観察しながら慎重に使用してください。高齢の関節リウマチの人では、低用量(1日1回1.5mg)から服用を開始してください。

妊娠または妊娠している可能性のある人は使用しないでください。

授乳中の人は服用を避けてください。

骨髄移植および腎移植では低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する安全性は確立していません。

心移植、肺移植、すい移植、小腸移植、重症筋無力症、関節リウマチ、ループス腎炎および潰瘍性大腸炎では、小児などに対する安全性は確立していません。